私達はまた魚などを見ながら二人で歩いていた。
 

「俺、この魚好きなんだけど。綺麗な色じゃない?」

「ほんとだ。でもこっちの黄色いのも可愛いなぁ・・・」

「おぉ!ほんとだ!!」

「章平、はしゃぎすぎだから!」


こんなおしゃべりも普通にして、何のためらいもなく
隣同士で歩いていた。でも章介は私より歩くスピードが早く、少し前を歩いていた。


   -どくん・・・


・・・重なる。あの時と。・・・あの人と。

私は気がつくと立ち止まっていた。そして章平の声で我にかえった。


「どうした?ミア。疲れた?」

「うっ、うぅん・・何でもないよっ!」


落ち着け・・目の前にいるのは、章平なんだから・・・。
あの人じゃないんだから・・・。

そう自分に言い聞かせていると、前を歩いていた章平が
言った。


「水族館って、プラネタリウムみたいだよな!魚達が星でさ!」

「・・・ッーー!!」


 『水族館の魚達って星みたいだよな』


「    ッ・・・」

「おい?!ミア、どうした!!」


ミアは章平の声も聞こえず、一人走り出していた。


「・・・誰だよ・・。」

 
  回り始めた。

         記憶の歯車は


「どうして・・重なるのよッ・・・!!」


  
   誰にも止められない。