「あら、そんなの思い違いよ。」

「え?」

「かずとはあなたに惚れてるわよ。しかもかなりね。」

「お姉さんは…」

「椿でいいわ。」

「椿さんは…どうしてそう思うんですか?」

私はやっぱり信じられなかった。

先生が私なんか好きになるはずない。


すると椿さんが口を開いた。

「目…かな?」

「目?」

「うん。かずとが唯一、表情をだすのは目なのよ。あなたを見ているかずとの目はとても優しいのよ?」

「……そんな理由じゃわかりません。」

自分でも嫌なヤツだと思った。


椿さんは少し困ったような顔をしていた。


「これでもわからないか?」

いつのまにか先生が入って来ていた。

先生は少し怒ったように私に近づいてくる。

そして私の腕を引っ張ると私をぎゅっと抱きしめた。