「すいませ―ん。」
私は保健室に入って声をかけた。


「はいは―いっ!!………え―っと……木村さんだっけ?どしたの?」


「気分悪くて…寝ててもいいですか?」


保健室の先生は私に近寄り、私の額に手をあてた。


「熱はないみたいだけど……まあいいわ。どうぞ。」

保健室の先生は空いているベッドに案内してくれた。


「さぁ……気分が悪いなんて、どうしたの?…さっきは全然そんな様子なかったけど?」


私が黙っていると保健室の先生は私に聞いてきた。

「かずとの事なんじゃないの?」

「えっ?…かずと…って?もしかして…」
「そう。津野一登よ。あなたの担任。」

「先生と仲いいんですか?……それとも、つきあって…」

「私はかずとの姉なの。」

「えぇっ!!お姉さん!?」

私は驚いて飛び上がった。

すると『お姉さん』は少し微笑んで
「そう。」
と言った。

「木村さんは……かずとの事好きなんでしょ?……もしかしてもう付き合ってる?」
「いえっ!!全然っ!!付き合うなんてそんなの無理です…」

「どうして?」

「……先生が私なんか好きになるはずないから」