「あの……先生?」

先生は私の手を掴んで私をどんどんひっぱる。


おっきな手だなぁ…


先生が歩くたびに栗色の髪がフワフワとゆれる。


……すっごいドキドキするーっ…


いいかげん恥ずかしすぎるので先生に手を離してほしくて呼びかけてみる。


「…せんせー…?」

「…」


…………無視されてる?


もうっ!!!どういうことなのよぉ~!?


急に優しくなったりロボットになったり…

…誰か助けてーっ!!!!!


私の心の中の助けを呼ぶ声が聞こえたのか先生は止まって手を離した。


「………着きました…」

先生はうつむき加減で私に言った。

「??先生……どうかしたんですか?」


「………いえ。何でもありません。それより早く中に。」


「あっはい。」
先生に言われて私は保健室に入った。


保健室の先生は若い女の先生だった。


「どうしたの~?今授業中で……津野先生っ!!」


「あ~…頭うっちゃって…先生が連れて来てくれたんです。大丈夫って言ったんですけど…」


私が話してる間、保健室の先生はニヤニヤしながら話を聞いていた。

何かあるのかな~?


「……そうなんだ~…頭見せてくれる?」先生は笑いながら聞いてきた。

「あっ!!頭っていうかおでこ…なんですけど…」


保健室の先生はさっと手当てをしてガーゼを貼ってくれた。

「よしっ!!これで大丈夫っ!!」

「ありがとうございます~」

「いいえ~。またいつでも遊びにきて。」そう言って保健室の先生はニコッと笑った。