「無視して良いよ。
……ってか、もう帰れば⁇
久しぶりのOFFなんだろ⁇
希美と一緒にいろよ。」
「ん、あぁ……なら そうする。
んじゃあな。」
そう言って、翔平さんは部屋から出て行った。
「やっと2人になれた。」
燕がそう言う。
今までより、顔がハッキリ見えて 坊主もそこまで悪くないな……って思った。
「未来はこれからも俺の側に居てくれんの⁇」
「うん、当たり前だよ。」
燕は難しい顔をしてから、
「気持ちは嬉しいし、俺も未来と一緒にいたい。
でも、俺 少しでも長い時間をリハビリに費やしたい。
だから……未来が来てくれても 俺が病室にいないってことが起こるかもしれない。
それを避けたいから、退院の日までは 来ないでくれるか⁇
その代わり、これからは毎日 メールとか電話とか しよう⁇」
「分かった。
でも、燕の携帯に私の番号 入ってる⁇」
燕が事故に遭った日、携帯はもちろん壊れてた。
だから、燕は翔平さんに新しい携帯を契約してもらっていた。
その中に私の番号は入っていないはず……だって、今まで 聞かれたことなかったし。
「入ってる、番号もメアドも変えてなかったら。」
「……もしかして、覚えてたの⁇」
「当たり前。」
……マジかー。
「燕は⁇番号 変わったりしてる⁇」
「してなかったはず。」
なら、メールとかできるね。
「未来……今 新しい家に住んでんの⁇
良かったら……」
「燕の家 行っていいの⁉︎」
「いいよ。寧ろ、来て欲しいよ。」
「なら、すぐに引っ越しするね‼︎」
家の中に大きい家具とかなかったはずだし……、お姉ちゃんに頼んで 車で運んでもらおう。
「その前に、部屋の掃除 頼んでおいていい⁇
しばらく行ってないから、埃とかすごいと思う。」
「分かった。」
「未来の荷物 置く場所、空いてるから 前と同じところに置いといてくれたらいいよ。」