そのあと、翔平さんが帰って来る直前くらいまで私たちは抱き合った状態のままだった。
「やっぱ、くっつくんだ。
まぁ、そっちの方がいいけど……んで 燕が頼んでたやつ 持ってきた。」
「あぁ、ありがとう。
んじゃ、早速……風呂のところがいいか⁇」
……⁇
「どうしたの⁇」
「未来が側にいてくれるなら、尚更 リハビリに専念しないといけないだろ⁇
だから、髪 切ってもらおうと思って。」
確かに今の燕、髪の毛ボッサーってなってる。
「……で、バリカン⁇」
「そっちの方が、早く切り終わるかな⁇って。
俺 自分ではできないと思うし、頼むなら 翔平だろ⁇
で、翔平は忙しいから できるだけ早く出来上がる方を選んだって訳。」
なるほど。
「燕の坊主って初めて見るよ。」
「そうか……、俺 小中高 ほとんど坊主だったけど よく考えれば 坊主にするの高校の時以来だ。」
結構、坊主歴長いね。
「まぁ、そこはどうでも良いんだけどね。
んじゃ、未来 待っててくれる⁇」
私が頷くと 燕と翔平さんは お風呂に行った……ドア開けて 中に入って すぐのところにお風呂がある。
それよりも奥にベッドがあるから、私はベッドの方で待機。
しばらくすると機械音が聞こえてきた。
「終わりー。」
「終わりじゃねーよ、まだ刈れてないところ あるじゃん。」
「あ、バレタ⁇
面白いと思ったのにな……。」
「俺の頭で面白さ求めるの 良い加減 止めようか。」
とか、燕と翔平さんの会話がたくさん聞こえてくるから 寂しくはない。
7〜8分後に 2人がこっちに戻ってきた。
「おかえりー。」
「燕の坊主、面白いだろ⁇」
「は⁇やっぱ 途中で長さ変えたろ⁇」
「してねーよ……ブハッー」
翔平さん すごい笑ってる。
「未来、どうなってる⁇俺の頭。」
「変じゃないと思うけど……」
「だって、俺 何もしてねーもん。
ちゃんと言われた通りにしただけだから、変になるはずねーじゃん。」
翔平さん、笑いすぎな気がする。
「あー、お前はそういうやつだったよな。
俺の坊主姿を見て、笑ってんだな。」
頷きながら、燕のこと指差して 大爆笑してる翔平さん。
「私には 変に見えないけど……」