「別にいいんじゃねーか⁇」
「なら、中に入ります。」
コンコンー
「伊原です、入りますね。」
中からの返事はない……これももう何時ものこと。
「私、さっきの翔平さんとの話 聞いてしまいました。
すみません……そして、思ったんですけど……私はどうしたらいいですか⁇」
「は⁇どういうこと⁇」
「私は明智先生から離れた方がいいですか⁇
その方が 明智先生は嬉しいんですか⁇
私は、明智先生が嬉しい……というか 喜ぶ方を選びたいと思っています。
だから、聞きます。
私はどうしたらいいですか⁇」
観念したように、明智先生は話し出す。
「俺は未来から勝手に元気もらってたし、それはこれからもそうなんだろうと思う。
さっきのどこから聞いてたのか、分かんないけど 俺のせいで未来に恥かかせるのは本当に嫌なんだ。
今の俺のままだと、未来に恥かかせる。
それに未来には人生を棒にふるような真似はしないでほしい。
未来は未来の幸せを追っかけてほしい。」
「それなら、答え 出たよ。
私は、これからも燕の側に居続ける。
私は 燕の側にいる時間が1番幸せな時間だよ。」
燕に手招きされたから、もう少しベッドに近寄った。
上半身を起こしていた燕は、ベッドの上で膝立ちして 私を抱き締めてくれた。
久しぶりの温もり。
安心する。
「悪りぃけど、もう少しこうさせて。」
全然悪くない。
私だって、もっとこうしていてほしい。