『……5日後、19:00頃に病院……燕の病室の前に来て。

中には入るな。
中に入っていい、っていうまで 中に入るな。

外で待ってろ。』

「分かりました。
5日後の19:00頃ですね。」

『あぁ、頼んだぞ。』

電話は切れた。

何で、中に入ったらダメなんだろう⁇

よく分かんないけど、翔平さんを怒らせると怖いのは分かってるから ちゃんとその通りに行こう。

そして、迎えた 待ち合わせの日・時間。

もうすぐ19:00。

中から、燕と翔平さんが話しているのが聞こえてくる。

「まだ記憶戻らないのか⁇
何時になったら、戻すんだよ。」

「未来が俺の手には届かないところに行ってから。」

「それなら、もう手遅れだろ。」

「手遅れでいい。
リハビリのおかげで歩けるようにはなった。

でも、まだ一般人レベルじゃない。
ノロノロとしか、歩けない。

それに、どうしても少し左足を引きずってしまう。

こんな状態で未来とは付き会えない。

未来に恥かかせる。
それだけは、絶対に嫌だから。

今まで、記憶ないふりしてきたのに それでも未来は毎日 大学終わった後 来てくれるんだ。
自分もしないといけないこと、いっぱいあるのに。

そんな未来に今まで、励まされてきたけど そろそろ俺は未来から卒業しないといけない……そう思うんだ。