マリオン・リーという少女がいる。

犬毛のような黄土色の髪に、
冷たい灰色の双眸を持つ13歳の浮浪児だ。

表情が決定的に欠落しており、
ポーカーフェイスを通り越している。

整った顔立ちが相まって
無駄に迫力があり、
近寄りがたい雰囲気がにじみ出ている。

尤も、小汚い浮浪児の彼女に
好き好んで近付きたい人間はいない。

……そう、人間は。