「よも~!」

「あ、は~い!」

 誰かに呼ばれたよもちゃんが離れていく。

 目隠しをされてその場でぐるぐる回されているよもちゃんは、解放されたころにはふらふらで、なぜか焔さんの方に向かっていった。

「よも!そのまままっすぐだ~!!」

「てめぇらふざけんなぁ!!」

 焔さんはすぐに気づいて、あわててよもちゃんから逃げ始める。
 指示がやんでしまったことで、よもちゃんはまた勝手にふらふら歩きだす。

「よも~!右右!!」

「そのまままっすぐだ~!」

 またおかしな指示が飛び始める。
 今度は誰のところに誘導されるのか…。

 気のせいか?よもちゃんが少しずつ近づいてきてるような。と思ってる最中にもよもちゃんは目の前までやってきて…。

「そこだっいけ~!!」

 容赦なく木の棒を振り上げたよもちゃんにようやく意識が戻ってくる。

 振り落とされた木の棒を慌ててキャッチする。

「あれ?………誰ですかウソついたの!!!」

 途中で止まった木の棒によもちゃんは首をかしげて、目隠しを取ってしばらく驚いて、やがて指示を出してたやつらの方向に向かって怒った。

 もちろん大爆笑に包まれて、よもちゃんは頬を膨らませた。