「こうちゃん!おんぶしてください!」

「はぁ?なんでお前をおんぶしなきゃいけなんだよ!あとちゃん付けすんなって言ってんだろ!!」

「おんぶしてくれたらこうくんって呼んであげます」

 ぶつぶつ文句言いながら、浩介は屈んでよもちゃんは勢いをつけてその背中に飛び乗った。

 もちろん、嫌がらせだ。

「お前!勢いつけんな!スイカ持ってんだぞ!」

「割れたらこうちゃんのせいにするからいいです」

「よくねぇよ!!!」

 完全によもちゃんに遊ばれている浩介は、なんだかんだ言いながらよもちゃんを背中に背負ったままスイカ割りの準備に加わる。

 降りる降りないでまたケンカを始めた2人を遠目に見つめながらも、イライラを隠すように腕を噛んだ。

「雷斗」

「ッ!?うわ…朔夜さん…」

 いつの間にか後ろにいた朔夜さんに驚いて思いっきりこける。

 3月に先代が引退して総長になってからはほとんど2階にいるはずの朔夜さんが1階に来るなんて…。
 と思いかけて、スイカ割りのことを思い出して、納得した。