「雷斗くん、夏休みスイカ割りするそうですよ!」
学校では、よもちゃんと話せない。
理由は、よもちゃんがもう疲れたからだって、嵐鬼に媚を売る人たちの争いに巻き込まれることが、疲れたからだって。
だから、学校では話しかけれない。
でも、時々嵐鬼の倉庫に遊びに来るよもちゃんとたくさん話して一緒に遊ぶ。
それだけでも十分だった。
どこからか大きなスイカを抱えて持ってきたよもちゃんがふらふらしているのを見て、浩介が取りあげた。
よもちゃんそれをいいことに浩介に地味な攻撃を加えてる。
「うっとうしいなてめぇは!!」
「あはは~」
浩介は4月に一気に入ってきた奴のうちの一人だった。
嵐鬼は通常、準幹部波の奴と1対1でやりあい、それを見て判断されるらしい。
浩介ももちろんその方法で入ってくるかと思いきや、よもちゃんが目ざとく浩介を発見して、掘り出して…いや、連れだしてきた。
そのおかげで、浩介も「蓬枠」組の一員になった。
幼馴染だという2人は、他の誰よりも楽しそうな雰囲気を出してて、それを見て最近イライラすることが増えた。前は、そんな風じゃなかったのに。