そんな試験は、嵐鬼の中では別名「蓬枠」と呼ばれた試験だったらしく、よもちゃんが連れてきた人に対して行われる試験だった。

 それで嵐鬼にいるのは、当時の総長をはじめ、焔さんもそうだったらしい。
 他にも数人いる。

 あの後、よもちゃんと仲良くなって、俺はあだ名で、よもちゃんは名前でお互いを呼ぶようになった。

 そして、総長が引退すると同時に、俺は朔夜さんの指示で幹部になった。

 家の事情を詳しく朔夜さんに話したら、お前はほっとけねぇって言われたのがきっかけ。
 だからって入って数か月の俺を名だけでも幹部にしたのは、朔夜さんの無茶だったと思う。

 そんなこんなで居場所を手に入れた俺は、高校も朔夜さんたちが通い、よもちゃんも受験した櫻高校に進学した。