「…合格だ」
何の前触れもなく響いた言葉。
いつの間にか、朔夜さんは後ろに2人の女性と2人の男性、うちの1人はさっきの眼鏡をかけた人だ。
朔夜さんは口角をあげ、自分の隣を顎で示す。
「蓬、来い」
「…あ」
呆然としていると、隣を駆けて行ったよもぎちゃんが、止める間もなく朔夜さんに駆け寄って行く。
よもぎちゃんを受け止めたのは女性の1人で、よもぎちゃんはその人にすっかり甘えている。
「え、え?」
「だから、合格だって言ったんだ。大宮雷斗。歓迎するぜ」
朔夜さんは男でも惚れそうなほどクールな笑みを作って、女の人に抱き着いてるよもぎちゃんの頭を撫でた。
俺が呆然としている間に、いつの間にか人の囲まれていることに気付いて余計に訳が分からなくなる。