「お前、中でやれよ。外寒いだろ」

「お?そうだな!よも、ココア入れてやるからな~」

「え、あ、ちょっと待って!」

 ずるずると引きずられていったよもぎちゃん。そして、ぴしゃりと閉められたドア。

 …えぇ。俺はどうすればいいんだ…?

 どうすることもできずにしばらくその場で待っていると、ドアが開いてさっきより疲れた様子のよもぎちゃんが顔を出した。

「…すみません。どうぞ…」

「う、うん…」

 最初からなんか削がれた気がする。

 よもぎちゃんに招かれて倉庫の中に足を踏み入れる。中には大勢の人がいて、数人ずつで固まって話しているようだった。

 暴走族っていうイメージが崩れそうなほど、アットホームな雰囲気に思わず口を開けたまま固まる。