「ここです」
よもぎちゃんに連れてこられたのは、高い塀に囲まれた工場の倉庫のような場所。
そんなところに臆さず突き進んでいくよもぎちゃんに続いて敷地の中に入る。
倉庫のような建物の大きなシャッターを無視して、普通のサイズのドアの前までやってきたよもぎちゃんは、そこをノックして、返ってきたノックを再び返す。
すると、鍵の開く音が聞こえてドアが内側に引かれる。
「よも!みなさん!!よも来ました!!」
よもぎちゃんが口を開く前に大声で言ったその人の言葉に倉庫の中が騒がしくなる。
「よも~!!」
「うぎゃ!?」
「何なんだよ~1週間も顔見せてねぇじゃねぇか!俺は何かあったのかと心配で心配で…」
「離れてください…」
感動の再会…とは言えなかった。
よもぎちゃんは全力で嫌がってるのに、抱き着いてる人はそんなことお構いなしに抱きしめてる。
…俺はどうすれば…。