「ねーね!」

「あれ、ともくん脱走?」

「かくほなの!」

「ねぇね。かくほ!」

 桃から脱出してきた智希と望亜がよもを攫って行く。

 よもを座らせて2人で膝の上を陣取っていると、咲がぐずり出してよもをじっと見る。

「よも、咲もだって」

「まんいんだからだめ~!」

「め!」

「あぁ、ともくんもみあちゃんも意地悪しちゃダメだよ~」

 お兄ちゃんとお姉ちゃんかっこ悪いなぁとよもが言うと、智希と望亜は少し迷って真ん中を開けて、咲を迎え入れた。

 迎え入れたはいいがよもの表情は暗に重いと言っているようで、少し笑える。