叫んでも、秋空には全然敵わなくて、頬を膨らませてすねる。

―すねても無駄だってのに。余計いじめたくなるだろうが。

 でも、離れたくないからちゃんと首に手をまわして抱き着いてる。

―すねても離れないんだよな。お前は。頭を撫でれば甘えるように笑う。

「あ、清牙さんたちにあいさつしとくか…」

「あわわ…、緊張します」

「蓬、行くぞ」

「えぇ、ま、まだ嫌です」

「ッ…また泊りに来たらいくらでも抱き着いてくるだろ?」

「今がいいですっ」

 せっかく堂々と甘えれるようになったのに、もう離れるなんて嫌です。

―男の事情を考えろよ。この天然は!強行できない俺もだけど…。

「秋空…嫌いになった?」

「は?…んなわけねぇから。まぁ、そのうち鳴かせるけど?」

「ッ…は、は…ッ…もう行きます!」

「あれ、もういいのか?甘えんぼ」

「うるさいです!!!」

 秋空、いきなり甘すぎます…。うぅ、もつかなこれ?

―はぁ、やっと離れた…。でも、ホントに真っ赤かだ。