夕日が沈んでいく。少しずつ暗くなっていく公園。春を告げる風が近い。
―心臓が鼓動を立てる。緊張で、早く伝えたくて、高鳴っていく。
「蓬、愛してる」
「私だって、あきくん…あ、秋空のこと、愛してます!」
鼓動が加速する。
―思いを、伝える。
「俺と―」
「私と―」
「「付き合ってください!」」
重なった言葉は思いの言葉。
―やっと、口にできた思いの言葉だ。
あきくんの腕の中に飛び込む。
―離さなように、抱きしめる。
「はぁ…やっと言えた…」
「えへへ」
「…お前、俺にちゃんと告らせろよ」
「私だって言いたかったんです!」
「で、返事は?」
「…はい!」
後頭部を支えられて、口づけをかわす。甘くて、少ししょっぱい。
―少しだけ離れて見えた蓬の顔は真っ赤だった。そんな顔がかわいくて、誰にも見せないように抱きしめる。