―蓬の視線は懐かしむように公園を見まわす。
確かに、俺たちはここから始まった。
子どもたちを見守る優しい視線と、勇敢に立ち向かっていくあの姿に、一目惚れした。
かっこよくて、その反面子どもと同じように遊ぶ姿に。
あの時からずっと追いかけてきた。
ただ、話したくて。ただ、視線を向けてほしくて。ただ、笑ってほしくて。ただ、泣いてほしくて。ただ、俺を見てほしくて。
何かが叶うごとに思いは膨らんでいって、ただこうしてほしいと思うことは次第に愛情へと変わっていった。
「…俺は、ずっとお前を見てきた」
「えぇ、ストーカーですか?」
「違うわ!…そうじゃなくて、追いかけてきたって方が正しいか。学校ではお前自身を、校外では、情報屋を。しつこかっただろ」
なんでこんな時に茶化してくるんだよ。お前は…。
俺の言葉に、蓬はぷくっと頬を膨らませる。