あのおっさん、ふざけんな。おごってくれたけど…。

 少し急ぎ足で公園に向かう。

 流石に蓬を暗くなってから呼び出すのは嫌だ。桃さんたちにもなんか悪いし、5分でも外歩かせんのは怖い。

 って、なんかすごい過保護になってる気がする。

 でも、それくらい大切ってことで、時間がたつほどに不安になる。

 もし、あいつの心が他の誰かに向かってしまったら。
 もし、あいつが待てなくなってしまったら。

 そのもしがとてつもなく怖い。

 だから、焦ってた。焦ってたから、約束でつなぎとめようとした。

 言葉でつないで、必死に思いがどこかに向かないように引き留め続けた。自分のわがままで、親父のことが解決するまで蓬を本当の意味で手に入れないと、決め続けた。

 結局、自分の気持ちに気づいてから1年…いや、あいつが俺たちを救ってくれた時から、惹かれてた。

 その思いにやっと向き合えるようになったんだ。

 だから、1分でも1秒でも時間が惜しい。