「…秋空、お前はお前の信じる道を進めばいい。俺は、止めないから」

「…分かってるよ、そんなこと」

 急に父親面すんなよ。ばーか。

「あぁ、そうだ。秋空、お前はちゃんと家族を守れるようにな」

「その点はご心配なく。正真正銘反面教師が父親なんで」

「ははは…。でも、よくあんないい子を彼女に」

「は?」

「え?…蓬ちゃん、秋空の彼女なんだろ?」

 蓬が彼女?…蓬が俺の彼女!?

「………はぁ!?なんだよそれ!!」

 布団をはねのけて、親父が寝転がってるベッドまで行く。親父はきょとんとした顔のままだ。

「違うのか?」

「ちがっ…まだ違う!」

「まだってことはそのうちそうなるんじゃないのか?」

「っぐ…」

 なんかこの手のからかいばかりされてる気がする…。親父もなんか楽しそうにしてるし…。

 親ってこういうの好きなのか?