「アキラ、ヨモギちゃん知ってるのか!?って、まさか友達のお父さん探しに来たって言ってたけど、まさかお前のことか!?」

「…マジですか」

 どんな偶然…。いや、こんな偶然ありえねぇだろ。

 というか、蓬このおっさんに捕まってたのか。

「いやぁ、まさかヨモギちゃんの友達だとはなぁ。親父!これもなんかの縁だ!デザートもつけてくれ!」

 勝手に盛り上がり始めたおっさんを置いておいて。

 …なんでだ。蓬がこのおっさんに振り回されてる姿が簡単に想像できるのは…。

「アキラ、よかったなぁ。ヨモギちゃん、すっげぇ一生懸命探してたぞ。見つかってからも説得に行くんだって、何回も何回もよぅ。友達のためって言うんだから感動しちまって、俺も説得に行っちまったぜ」

「は、行ったって、親父に会ったんですか!?」

「おうよ!親父さん、ヨモギちゃんに怒られてへこんでよぅ、ひと晩一緒に飲み明かした」

「…意味わかんねぇ」

 何だよこれ。…でも、蓬そんな苦労して…。なのに、俺最低なこと言ったんだな。…戻ったら謝ろう。