「うお!?よも!お前ふざけんな!」

「ふざけてないです!」

 こうちゃんの足元は狙いましたが。

 早速始めたバドミントン。10点マッチで、今のところ全勝です…!

 こうちゃんや遥人に負けようものなら、お母さんに顔向けできませんからね!

 そんなわけでご機嫌なのです。

「遥人!お前は入れ!よも、お前はいったん出ろ!」

「遥人!こうちゃんなんかやっつけちゃえ!」

「分かった!頑張る!」

「おぉ、言うようになったじゃねぇか。遥人。お前負けたらジュースおごれよ」

「浩介さんにそのセリフそのままお返しします!」

 こうちゃんVS遥人。…遥人勝てるでしょうか…。

 少し不安ながらもコートを出て、ベンチに座っている雷斗くんの隣に腰掛けます。

「雷斗くん、2人が終わったらやりますか?」

「…よもちゃん、2人で抜けない?」

「え?」

「話したいことがあるんだ。ダメ、かな」

 雷斗くんの表情はどこか真剣で、チラッとこうちゃんと遥人を見ると、2人とも真剣で私たちを見ている様子はありません。

 少しくらいなら、いいですよね。頷くと、雷斗くんは立ち上がって、手を差し出してくれる。

 でも、何となくその手を重ねてはいけない気がして、手を通り越して服の袖を掴む。

 苦笑を浮かべた雷斗くんと一緒にその場を離れ、階段を下りていく。