「よも、そんな軽いのでやんのか?」

「こうちゃんと同じにしないでください!そんな重いのでやったら肩外れちゃいますよ」

「よもちゃんはガーターなしにする?」

「え…。なんでできないこと知ってるんですか」

「お前なんでボーリング選んだよ」

 こうちゃんの呆れた声。できなくてもやりたくなるんですよ!

 正確には、白熱するバトルを見てるのが好きなんですが。

 そんなわけで始まったボーリング大会。私はガーターなしというハンデつきです。

 私、雷斗くん、こうちゃん、遥人の順でゲームは進みます。

 第1球目。いざ…!

 ボールを構えて、遠くにあるピンを目指してボールを離す。

 …ピンを目指したはずなんですが、ガーター避けに沿って進み、端っこの1個だけ倒してボールは消えました。

「ぎゃははっお前、ド下手ッ」

「こうちゃんうるさいです!!」

「姉ちゃん…」

 こうちゃんには爆笑され、遥人には慰めのような視線をもらってしまいました。

「よもちゃん、ボール離すタイミングもうちょっと早めればいいと思うよ。あと、腕の動きはまっすぐにしてね」

「早くして、まっすぐ…。分かりました!」