翌日。約束した午前10時に家を出ると、なぜだか雷斗くんだけでなく、遥人とこうちゃんの姿もありました。
「…なんで、遥人とこうちゃんがいるんですか?」
「ん?邪魔しに来た。な、遥人」
「俺まで巻き込まないでくださいよ!俺はただ姉ちゃんに会いたかっただけです」
こうちゃんが遥人の肩に腕をまわしましたが、すぐに振り払われていました。陽気な2人とは裏腹、雷斗くんの表情は少し…いえ、大分険しいです。
バイクは2台。こうちゃんが遥人を乗っけてきたみたいですね…。
「よもちゃん、こいつら振り切るつもりだけどいい?」
「…安全運転なら」
「冷てぇこと言うなよ。遥人、さっさと乗れ。置いてかれる」
「はい!」
雷斗くんにヘルメットを借りている間にこうちゃんのバイクの後ろに飛び乗った遥人。準備万端ですね。
私も雷斗くんのバイクに乗せてもらって、準備完了です。
「どこに行くんですか?」
「秘密。付いてからのお楽しみ」
雷斗くんは意地悪な顔で笑って、ヘルメットをかぶる。
雷斗くんがバイクにまたがると、こうちゃんが一足先にエンジンをかけました。
「掴まっててね」
「はい」
雷斗くんの言葉にしっかり掴まると、バイクが出発しました。こうちゃんも後ろからついてきます。
バイクに乗るのは久しぶりなのでちょっと楽しいです。