「秋空くん、話せるか?あいつらが来た経緯から」

 清牙さんの言葉に頷いて、頭の中でカレンダーを思い浮かべる。

「…2週間くらい前です。いきなり5人組くらいで押しかけてきて、親父がした借金の返済をしろって迫られて…。その日に親父からの仕送りとか、財布とか、有り金全部持っていかれました。次に来たのは1週間前で、ピアスとか、取られて…。清牙さん、すみません。抵抗したんですけど、取られて…」

「いいんだ。秋空くんが無事だったなら」

「秋空、いくら返せって言われた?」

「…確か、5千万だった気がします。…親父、あんな借金して」

「違うぞそれは。あの組は借金に多額の利子をつけてたんだ。相手が返せないことが分かったうえでな。期限を迫り、返せなかった家の子どもを誘拐する。あいつらの目的はそこだ」

「…じゃあ、親父の場所言っても相手にされなかったのって」

「お前自身が狙いだったんだろう。鉄砲玉や風呂屋に流すためにな。運が良くても下っ端の構成員にされてただろうよ」

 蓬がお供さんって呼んでる人の言葉にぞっとする。

 もし、あのまま連れて行かれたら…。頭がくらくらして、清牙さんに肩を支えられる。