「…っん」
いってぇ、ここ、どこだ…。
消毒のにおいがする。真っ白な天井。
左腕が重い…。右手を使って何とか起き上がると、左手を掴んだまま蓬が伏せて眠っていた。
そうだ、借金取りが来て、それで、蓬が助けに来てくれて…。
っはは、かっこわりぃな、俺…。好きな奴に、巻き込みたくなかった奴に助けられるなんて、ほんと、かっこわりぃ…。
「お、目覚めたか」
「剣人さん」
「危なかったな。蓬が行ってなかったら、お前今頃どうなってたかわかんねぇよ?」
「…そうですね」
「そうですね。じゃなくて、黙っててごめんなさいだろうが」
「っい!?」
頭殴られた。…いってぇ。
白衣を着た剣人さんはやれやれと言った顔をして、俺を見下ろしてる。
「清牙たち呼んでくる。話せるな」
「…はい」
剣人さんの真剣な顔に、頷くと剣人さんはすぐに部屋を出て行く。
蓬は起きる気配ねぇな。掴まれてた左手を起こさないように抜いて、頭を撫でてやる。
助けられてばっかだな…。