その後、朔夜さんたちと別れて家に帰りました。この後、嵐鬼でも正式な卒業式です。

 引っ張って行かれかけたのを丁重に辞退しました。何となく、私が行ったらふざけてしまいそうなので…。

 厳粛な会のはずですから、嵐鬼ではない私はそれ以上お邪魔してはいけません。

 というわけで家に帰ってきたのですが、早速朔夜さんたちにもらったボタンに付け替えながらも、1人になった途端頭を支配するのはあきくんのこと。

「…あきくんバイト終わったかな」

 登校自体があとは終業式しかない。その終業式は2週間後です。それまでの間、あきくんとケンカしたままなんて…。

 ダメです。耐えられる自信がありません。

 今は午後6時を過ぎたところ。

 …どうしよう、押しかけてしまいましょうか。手土産に何かお菓子でも持って。

 このままじゃダメだ。だから、行かなきゃ。

 ボタンの付け替えを急いで終わらせて、財布と携帯を持って部屋を出る。

 階段を下りると、待ってましたと言わんばかりに智希と望亜、遅れてよちよち歩きの咲がリビングから飛び出してきました。

「お姉ちゃんどこ行くの!?」

「ねぇね!」

「ねね~」

 智希、望亜、咲の順番で抱き着いてきました。

 はぅ、かわいい…っ。じゃなくて!