俺は強いんだ。こんなやつらになんか負けねぇ。…負けねぇはずなのに。

 気づいた時にはもう地面に倒されていて、どこにあのニヤニヤ男がいるのかわからない。

 くっそ。こんなはずじゃなかったのに…。

 意識も飛ばないまま地面に這いつくばっているだけなのが悔しくて、辛くて拳を握ることしかできなかった。

「それくらいにしとけよ」

「あ?」

「聞こえなかったか?それくらいにしとけって言ったんだよ」

 誰だ…?男たちの足の間から見えたのは、さっきのすごそうな奴らだった。

「なんだてめぇら。さっきは関係ねぇって」

「あぁ、関係はない。だけど、ちょっとやりすぎだよ。お前ら」

「あ?」

「だから、ちょっと参加させてもらう!」

 言い切る前に、そいつはリーダーをたった1発で倒しやがった。

 あっけなく倒れたそいつに、俺の周りに群がってた奴らが口を閉ざす。

「どうした?来いよ」

「はぁ、しょうがねぇなぁ。清牙がそういうなら、俺も相手してやるよ」

「清牙も剣人も血の気多いよねぇ」

「颯人、無理なら下がっててもいいのよ?」

「女の子に守られる趣味はないかなぁ」

「まだ女性差別?颯人、痛い目見たい?」

 なんで。助けるんだよ。ほっとけよ。俺、どんだけかっこわりぃんだよ…。

 5人は次々に男たちを倒していく。その戦い方は鮮やかで、敵わないってそう思った。