「おい、もういい加減やめたらどうだ?」

「は?」

 何もしてないのに、声をかけられて振り向けば、なんかすごそうな奴がそこにいた。

 呆れたような顔をしてるのは気のせいじゃない。

「正直迷惑なんだよ。剣人になんか恨みでもあんのか?」

「…俺は、お前らを倒して有名になる!だからやめねぇ!!」

「…次、剣人に襲撃かけたら、ちょっと考えるわ。俺の仲間に手、出すときはちょっと考えろ」

 それだけを言って、立ち去っていく。

 なんだよ。くっそ。偉そうにしやがって。俺の方が強いんだ。だから、負けるはずがねぇんだ…!

 初めて街でケンカを勝ってから、何となくそこで憂さ晴らしをすることが増えた。相手が何人でも、絶対に倒せてた。

 だから、群れてる奴らなんかに俺が、負けるはずがないって、ずっとそう思ってた。