「ぎゃ~!?」

「あ、やべ」

「おい、大丈夫か?」

 くっそう、奇襲作戦失敗…。

 肩を持たれたが降り払って走り去る。くそくそくそ!!絶対負けねぇ。絶対!

 そして次の日も、その次の日も、登校中、昼食中、帰宅中構わず奇襲を仕掛けた。なのに、あいつは動じるどころかいとも簡単に俺をこけにする。

 なんだってんだよ!絶対、絶対負けねぇんだからな!!

 俺は強いんだ。この辺で1番強いんだ!!

「おい、てめぇ無視してんじゃねぇよ」

「あ?」

 街を歩いていた俺は、普段相手にもしない奴のケンカを勝った。

 誰かなんか知らない。3人組の男を俺1人でぶっ倒した。

 やっぱり、俺は弱くねぇんだ。なのに、なんであいつに敵わねぇんだよ…。