「…すみません。私の勝手で、相談もなしにこんなこと」
「蓬さん、謝る必要なんてないんです。寄付は、義務ではなく、慈善です。だから、逆に言わせてください。あなたのおかげで、ここの子どもたちは、私は救われました。ありがとう」
にっこりと微笑んだ施設長は、最後の寄付金を大事そうに受け取ってくれました。
「あと、これをお返しします」
これ以上劣化しないように大事に持って来た、預かっていた写真。
その写真を見た瞬間、施設長の顔が曇りました。
それを受け取った施設長は、じっとその写真を…その写真に写ったあきくんを見つめていて…。
「…見つかりませんでしたか?」
「いえ、彼は元気です。本当は、会わせるつもりでしたが、本人の気持ちの問題もあったので…。秋空くんは私のお友達です。とっても優しくて、頼りになるお友達です」
「ッ…そうですか、秋空くんは…元気ですか…よかった…」