『病院行かれたらどうですか』

『は?』

『いや、私のことを美人とか言うので。眼科紹介しましょうか?あ、それとも脳外科…』

『…天然記念物』

『はい?』

 彼女は真っ白だった。本当に何も知らない顔をしていたよ。

 その天然さで、今まで男をかわして来たとしたら、納得がいった。
 そして、自分の中で核心づいた。この人が好きであると言うことを。

『…好きです』

『はい?』

『あなたが好きです!俺と、付き合って欲しい!』

『…えぇ!!?』

 その場の勢いだったが、彼女は顔を真っ赤にして、しばらく黙り込んだ。

『…えっと、お友達から…じゃ、ダメですかね…』

 当然だろう。お互いの名前すら知らないんだから。

 この日から、彼女とたびたび会うようになった。