「よもちゃん!」

「雷斗くん…」

「何かあったの?」

「…何でもないです」

「え、でも…」

「雷斗」

 倉庫に戻ってからすぐに駆け寄ってきた雷斗くんになんとなく言えなくて誤魔化すと、朔夜さんが雷斗くんを止める。

 何か言いたそうにしている雷斗くんだけど、口は開きませんでした。

「蓬さん…あ、あの…」

 振り返ると、遥人くんと視線が合う。

 だけど、その視線はすぐにそらされる。

 何を言ったらいいのか分からなくて口を閉ざす。

 どうしましょう。何を言えばいいんだろう。会ったことはないわけじゃないけど、一緒に暮らしたこともないのに…。