「ま、頑張れよ」

 応援だけなら、できる。協力はできないけど。

 雷斗は不満そうにしながらも頷く。

 まぁ、フラれた時は慰めてやるか。幼馴染を好きになった奴だし。

「何の話してるんですか?」

「え?うわ!!?」

 振り返ったらよもがいた。なんとなく気配してたから気づいてたけど。雷斗は驚きすぎて転がっていった。

「こんにちは。雷斗くん。こうくん」

「お前ほんと神出鬼没だよな」

「こうくんにいたずらしかけるためにお父さんと特訓してますから」

「なんだその無駄な特訓」

「無駄とはなんですか!」

 ほんとに、子どもみたいなやつだ。頭を撫でてやれば、黙った。やっぱされるがままになる。そして、やっぱりその顔は友達として、安心してる顔だ。

「よも、お前もがんばれよ」

「何がですか?」

「なんでも」

 多分、こいつ自身の気持ちに気づくのはだいぶかかると思うから。