部屋に連れて行かれる途中で、簡単に自己紹介される。

 背中を押してた奴は、雷斗で俺と同い年。よもちゃんとも同中だった。

「で、よもちゃんとどんな関係?」

「…幼馴染」

 と呼んでいいか分からなかったけど、それが1番近いと思った。

 雷斗は一瞬表情をしかめると、そうかと言ってあとは黙った。

 1階の部屋に入ると、1番最初によもちゃんが飛んできた。そしてまたうれしそうに俺の手を握る。

「突然来なくなっちゃったから寂しかったんですよ?」

「親に止められて、来れなくなったんだよ」

「そうだったんですか…。でも、また遊べますね!」

 当たり前のように笑うよもちゃんに、思わず答えが詰まる。

「え、嵐鬼、入るから来たんじゃないんですか…?」

「いや、入るよ。…って、入らせてもらってもいいんですか?」

 空気状態になっていた、総長に目を向ける。

 総長は、よもちゃんを見た後、俺に視線を戻した。

「お前が嵐鬼に入るだけの力があればな」