ざわざわしたところに、倉庫の中から人が出てくる。

 その人が出てきた瞬間、静まり返った。真っ赤な髪をしたその人は、俺たちを見てにやりと笑う。

「よし、入りたい奴は中に入ってこい」

 それだけ言って、いびつを返すその人の後を追って、倉庫に続々と入っていく。

 友達はなんだかんだ言いながらもついてきて、俺たちは倉庫の中に足を踏み入れた。

 倉庫の中には、年上の強そうな人がたくさんいて、2階には俺たちを見下ろす人たちがいる。

 その人たちから発せられる気が1番強い。ここのトップがあの中にいると思うと緊張してつばを飲み込んだ。

「…それじゃ、今からケンカしてもらうぜ。2人1組になれ。審査で合格した奴だけ嵐鬼に迎える」

 まさかの試験にどよめく1部。でも、大半は知っていたかのように不敵な笑みを浮かべた。

 …まずいな。ケンカなんかほとんどしたことないのに…。

 それでも、負けるわけにはいかなくて、誰と組もうか視線を迷わせる。