「浩介、あんた受験失敗して、部活のし過ぎなのよ!」

「うっせぇな。黙れよ!!」

 中3で、受験に失敗した。…わざと、だけど。

 母親が選んできた高校が気に食わなくて、受かる学力は十分にあったのに、わざと落ちた。面接も筆記もめちゃくちゃに答えて、あっけなく落ちた。

 口うるさい母親がどうしてもムカついて、父親は助けてくれなくて、ケンカは日に日にヒートアップしていく。

 高校に入学してからはわざとガラの悪い奴らとつるんで、バカして、怒られてた。

 バカバカしいって、思ってるのにやめられない。

 母親にざまぁみろって思うとどうしてもやめられなかった。

 そして、ある日…。

「なぁ、嵐鬼っていう暴走族しってっか?」

「暴走族?なんだよそれ」

「いやいや、バカにするけどさ、そこの総長が超かっこいいんだって。なんかさ、今日倉庫に言ったら入れてくれるらしいぜ!」

「まぁ、見に行くくらいならいいけど?」

 そんな友人の気ままな会話で、その日の帰り嵐鬼の倉庫に行くことになった。