『で、題名は?』

『またこの地を踏むですよ!』

『それ戦争もんじゃなかったか?』

『前に公庄先生に借りた本が原作なんですけど、すごい面白いんですよ!主人公が戦場で家族を思い出して戦い続けるシーンが最高なんです!』

『お前は結局そこか…』

 こんなに熱く語るよもちゃんなんて、そんなに見ないのに、秋空は疲れたように頭を抱えてため息をつく。

 それでもよもちゃんはめげなくて、珍しく強引に秋空を誘う。渋々引き受ける秋空に、よもちゃんは満面の笑みで喜んでた。

 そんなよもちゃんに、なんだかんだ言いながら秋空は微笑んで、よもちゃんを座らせた後に頭を撫でた。