『はいはい。よかったな』
『ふぇ~話聞いてくださいよ』
『お前の映画の趣味知って幻滅した俺にそれを言うのか』
『あきくんしか着いてきてくれないんですもん…』
『そりゃな、清牙さんの身にもなってみろよ。かわいい娘が思いっきりガンアクションやら殺戮の起こる映画を喜んで見てるんだぞ。誰だって引くわ』
『映画館だからこそじゃないですか!わざわざテレビのドラマでやってるような人情系や恋愛系ならドラマや漫画で十分です』
なぜか熱く語るよもちゃんに、クラスの数人の男子がドン引きしたような顔をする。
多分、普通の女子が言ってもふーんとかで終わったんだろうけど、むしろほのぼのした物を見そうなよもちゃんのとんでもないギャップに誰もが思わず青ざめてた。
って、よもちゃん、秋空と映画見たことあるんだ…。
俺の方が長くよもちゃんと一緒にいるのに、誘われたかこともなかったな…。