『あきくん!あきくん!これ見てください!』
珍しく興奮ぎみなよもちゃんは、さっき公庄に連れられて職員室に行ってたはず。
教室に戻ってきた開口1番がこれ。昼休みになって雑談していたクラスメイトまで驚いてよもちゃんを見てる。
そんなことも気づかないで秋空に何かを突き付けてるよもちゃんは、やっぱりちょっとおかしくなってる。
『っ分かったからちょっと離れろ!見えねぇよ!』
『あ、すみません』
やっと我に返ったよもちゃんは、すすっと2、3歩後ろに下がって、秋空は少し呆れた目でよもちゃんを見つめた。
まるで、こうなったのが前にもあったみたいに…。
『で、どうした?』
『公庄先生に頂いたんです!映画の試写会のチケット!』
秋空に突き付けてたのは映画のチケットらしい。
って公庄やっぱりよもちゃんに甘いんじゃ…。普通生徒にそんなのあげるか…?