「よも、おめでと」

「ありがとうございます!」

 紅葉さんが笑顔で差し出してきてくれましたが、なぜか颯人さんはそっぽを向いています。

 …どうされたんでしょうか。

 開けてみてと紅葉さんが笑っているので、袋の中を覗き込んで、すぐに閉じました。

「…紅葉さんっこ、ここ…これ」

「ん?あぁ、サイズなら大丈夫よ。よもが泊りに来た時にちゃちゃっと…」

「颯人さん止めてくださいよ!!」

「あはは…ごめんね」

 苦笑いする颯人さんですが、そうですよね。止めれないですよね。うぅ…。

 袋に入っていたのは下着セットというもので、…それ以上のことはご想像にお任せですね。絶対つけれないですよこれ…。

 お母さんが爆笑しているところを見ると、お母さんも共犯だそうです。

「よも、何もらったんだ?」

「…秘密です」

 いくらなんでもお父さんに言えないです…。

 不思議そうな顔をしたお父さんでしたが、それ以上は何も聞いてきませんでした。紅葉さんには申し訳ないですが、タンスの奥に仕舞ってしまいましょう…。