少し落ち着いた頃に、ソファでお酒を飲んでいたお父さんの隣に座る。

「お父さん」

 お父さんはやっぱり疲れてるのか、声をかけるまで私に気づいていなかったみたいです。

 でも、声をかければ優しく微笑んで、どうしたって当たり前のように言葉をかけてくれる。

「私、お父さんに見つけてもらって幸せだよ。だから、ありがとう。私のお父さんになってくれて」

「ッ…よも」

「えへへ」

 面食らったような顔をするお父さんに少し照れる。

 でも、お酒の缶を置いて、両手で抱きしめてくれるお父さんの胸に顔をうずめる。

 大好きだった。

 ううん、過去形なんかじゃなくて、大好き。

 拾ってくれた時は、私確かお父さんの上着の中に入れてたんだっけ?でも、その時からきっと、私はお父さんの腕の中が大好きになったんだろうなぁ。

 暖かくて、優しくて、守ってくれるって、そう思うんだ。