「ねーね、すわって!」
「すわって!」
リビングのソファの前に座らされちゃいました。智希と望亜は机の上にあった紙を後ろ手に隠して私の前に立っています。
「みあ、せーのだぞ!」
「あい!」
「せーの!」
「「おたんじょうびおめでとう!」」
2人が差し出してきたのは、今さっき2人が後ろ手に隠した物です。
よく見れば智希の持っている方には文字が並んでいて、望亜は絵が描いてありました。
咲ちゃんをおろして、2人から受け取りました。2人とも少し自慢げな顔をしています。
『ねーねへ
いつもありがとう!だいすきだよ。
これからも、いっぱいあそんでね。
ともきより』
そんな短い手紙の下には智希の大好きな桃太郎の絵が描いてありました。
望亜の手紙には、家族6人の絵が描いてあって、つたない文字で『だいすき』とだけ書いてあります。
たった、それだけなのに胸の奥が熱くなって、鼻の奥がつんっとしてしまいました。