結局隣町のショッピングモールまで来てしまいましたが、どれだけ探しても集めている小説のシリーズの新刊は出ていませんでした。

 店員さんに聞いたところ、来月の発売だそうです。

 お父さん本当にどうしたんでしょうね。特に用事もないのにお店の中をぐるぐる回って、結局お店を出たのは17時過ぎでした。

「お父さんどうしたの?なんか今日変だよ?」

「ちょっと仕事で疲れててな」

「…無理、しないでね?」

 お仕事で疲れているのにわざわざ隣町まで来てしまったんですか…。

 心なしかお父さんの表情は疲れているように見えます。

「あう~」

「ん?咲ちゃんどうしたの?」

「あ~あ」

「あ~」

 咲ちゃんの一生懸命なおしゃべりです。答えないわけにはいきません!!

 そんなわけで家に帰るまでずっとおしゃべりしていました。