カラオケ店を出ると、帰宅途中の学生たちの姿がちょろちょろ見える。

 時計が示すのは午後3時30分でした。

「どうする?帰るか?」

「…そうですね」

 当たり前のように差し出してくれた手に掴まって、歩き出す。

 家に帰る前にあきくんの家によって、制服に着替えてからですが。

「完全に不良ですよね」

「そうだな」

 学校をさぼって、親をだますためにわざわざ学校に行ったふりまでして。本当に、おバカさんです。

 私服からわざわざまた制服に戻って、念には念をと学校の方角から家に帰れるように少し回り道。

 いたずらをするような気持ちになって、ちょっとだけ解放感。でも、明日からはまたいつもの流れ。

 だから、今日だけが特別なんです。