「いってきま~す!」

「気を付けるんだぞ。よも」

「いってらっしゃい。気を付けてね」

「いってらっしゃい!」

「ちゃい!」

 1番に家を飛び出していった蓬を見送って、時計を見ればそろそろいい時間だ。

 仕事用の鞄に水筒と弁当を入れて、チャックを締める。

 さてと、今日も1日頑張りますか。

「桃、無理するなよ」

「分かってるわ。ね、咲」

「ぶ~」

 よもがいなくなったのが気に食わないのか、咲は不機嫌そうにぶ~ぶ~と声を出すだけだ。

 智希と望亜をそれぞれ抱き上げてあいさつを済ませて玄関に急ぐ。

「あ、清牙ちょっと待って!」

 靴を履いてるところで桃が慌てたように紙を持ってきた。

 それはケーキの受け取りに必要な予約した時の証明だ。