「晴野清牙様、10月28日付に、迷子の幼児、蓬の身柄を擁護する責任者として任命します。…頼んだよ」

「頼まれなくても」

 正式な書類と広西の言った紙を受け取った清牙は、手招きで蓬を呼ぶ。

 それだけで誰に抱っこされてても構わずに清牙のところに行っちゃう蓬。もちろん今も、下ろしたらすぐに清牙のところまでまっしぐら。

 もう、子どもはお父さんよりお母さん大好きじゃないの?
 清牙が嫉妬するくらい蓬を懐かせてやるんだから!

 清牙の腕の中に納まった蓬は、嬉しそうな顔で清牙にギュッと抱き着いた。

 そんな蓬に、広西も表情を和ませる。

「蓬ちゃん、もし清牙くんたちが嫌なことしていたら110って電話するんだよ」

「誰がするか」

「ぷぅ…」

 清牙の怒りが分かったのか、頬をパンパンに膨らませる蓬。

 うぅ~ん可愛すぎる!

 まだ一緒に暮らし始めて数日なのに、蓬はあっという間に私たちに懐いて誰彼構わず一生懸命甘えに行く。

 そんな姿も可愛すぎて紅葉と一緒に和むのももう日常よね。