「晴野くんはいるか!」

 数日後、嵐鬼の倉庫に物おじせずに堂々と入ってきた広西に、下にいた奴らが臨戦態勢に入って、数人が殴り掛かりに行った。

 でも、そんな下っ端たちをさらりと倒して見せた広西は、老いを感じさせないくらい強かった。

って、なんで広西を褒めなきゃいけないわけ?

 清牙が蓬を抱っこして顔を見せると、広西の顔が引きつって、大きくため息をついた。

「暴走族だったのか、お前らは…」

「そうだけど?悪いか」

「クビになることも考えんといかんな」

「心配すんな。ちゃんと定年退職まで働かせてやる。な、蓬」

「あい!」

 あの1件で、清牙と広西は微妙な関係になったみたい。

清牙の問いかけに意味も分からず元気な返事をした蓬に、広西も何も言えなくなった。

 わざとらしく咳払いをして、真剣な表情になった広西に、清牙も表情を引き締める。

居心地が悪くなった蓬が抱っこから降ろしてもらって、パタパタとやってきた。

 う~ん、やっぱり最高。可愛すぎる…!

 蓬を抱き上げて、2人の様子を少し離れたところから見る。